谷田義弘税理士事務所

三重県鈴鹿市 谷田義弘税理士事務所

「事業再構築」定義❹(業態転換)

こんにちは。税理士の谷田です。

本日は、透けるような青空が広がっていました。当事務所の午後は、汗ばむ陽気でした。

今回も「事業再構築補助金」について取り上げたいと思います。

 

朝イチのお電話にて、当事務所で3件受注している「事業再構築補助金」のうち、1件が申請することを取りやめとなりました。これは、費用対効果が見合わないことがハッキリしたことと「売上高10%要件」を満たすことが厳しい状況にある試算ができたためです。さらに、書類を調えるのに時間もかかることが明らかとなりました。私としては、たいへん賢明なご決断だと思いました。こういうところで経営センスが問われるという気がいたします。

 

もう1件は、これまで以上にプランやお考えをうかがうことができました。「補助金ありき」ではなく、「以前から温めていたプランを補助金に絡(から)めて行う」と、いう内容でした。これが本来の姿であって、補助金のために事業や業種、あるいは業態を転換したりするというのは、本末転倒、つまり、大切なこととそうでないことを「とっちがえている」と考えられます。ただ、この顧問先も「売上高10%要件」を満たせるかどうかが問題となると予見されます。

 

このように、「事業再構築補助金」について、いよいよ本格的に検討に入ってみえる事業者の方のお力になるべく、2021.03.172021.03.182021.03.19に引き続き、本日も「事業再構築補助金」を取り上げますので、どうぞよろしくお付き合いいただきますようお願い申し上げます。

 

ある税理士の一日【令和3(2021)年3月22日(月)】

本日は、先述のとおり、午前より「事業再構築補助金」の打合せをさせていただきました。その結果、1件は取りやめることとなりましたが、早い時期に撤退を決断されてよかったと思っております。もう1件はさらに検討を重ねていくことになりました。

 

また、午前中に、顧問先様の例月のやりとりをさせていただきました。「事業再構築補助金」のご案内をさせていただきましたが、よい転換等の事業計画は思い浮かばないということで、リーフレットをお持ち帰りいただきました。事業につきましては、イベントが開催されないので、まだまだ厳しい状況が続くとのことでした。特に花火と夏祭りがないと浴衣が売れずに困るとおっしゃってみえました。ワクチンが効いて「コロナ」が落ち着いてくれるのを祈るばかりです。

 

午後は、法人の決算・申告の説明と署名捺印をいただきました。「コロナ」の影響で売上の落ち込みが見られたものの、内製化をしたために、人件費が増加したものの、外注費を減らすことができたことや持続化給付金の受給が功を奏したことなど、この1年を振り返りました。また、消費税に関しては、総額表示とインボイス制度のご案内や具体的な対応をそれぞれ説明する機会を得ました。たいへん参考にしていただけて、熱が入りました。さらに、生命保険による節税スキームについて、一昨年のいわゆる「バレンタインショック」に次いで、法人名義で入っていた生命保険などを代表者などに契約者をすげ替えるといった手法(いわゆる「名義変更プラン」)ができなくなる旨(日経新聞 2021.03.17)、概説しました。記帳については、毎月代行させていただいておりますが、一年に一度、わざわざ親会社本社(県外)からお越しいただく決算・申告の説明が恒例となっています。また来年お会いできるのを楽しみにしています。

 

夕方は、異業種交流会に参加しました。会合や飲食は、座席の感覚をずいぶん空けていただいての集いとなりました。それまで、zoomによって代替してきましたが、リアルでの集まりはやはり伝わり方が違うと感じました。近鉄電車に乗って往路は特に特急に乗る必要もなく、復路は利用しました。とりわけ、帰りの特急は、閑散としていました。帰宅は、何とかその日のうちに戻ることができました。

 

「業態転換」の定義

事業再構築指針の手引き」によれば、

業態転換」とは製品等の製造方法等を相当程度変更することを指します。

と、されています。

また、

業態転換」に該当するためには、「製造方法等の新規性要件」、「製品の新規性要件」(製造方法の変更の場合)又は「設備撤去等又はデジタル活用要件」(提供方法の変更の場合)、「売上高10%要件」の3つの全てを満たす(=事業計画において示す)必要があります。

と、示されています。

 

そして、製造方法等の新規性を満たすためには、以下の4つの要件を全て満たす(=事業計画において示す)必要があります。

過去に同じ方法で製造等していた実績がないこと

主要な設備を変更すること

競合他社の多くが既に製品等を製造等するのに用いている製造方法等ではないこと

定量的に性能又は効能が異なること

 

まとめ

これまでの「新分野展開」「事業転換」「業種転換」と比べると、「業態転換」の定義には「相当程度変更すること」と、やや曖昧な表現が見られます。

本日ご相談いただいた顧問先様は、この「業態転換」に該当すると考えています。

そして、その顧問先様に現況を写真に撮影していただいたりしつつ、「コロナ」やBCPを意識した具体的な計画に練り込んでいきたいと思います。

顧問先様と二人三脚で、よい事業計画を作り上げたいと考えています。