こんにちは。
税理士の谷田です。
本日は一歩も外へ出ることなく過ごすことができました。この3日間毎晩県外に出掛けていたことを思うと、対照的でした。外に出ることはなくてもたいへん充実した日々を送ることができました。
今回は、夕方、創業計画書を作らせていただいた経験を記録しておきたいと思います。創業計画書については、以前このblogでも取り上げました。タイトルは、つぎのとおりです。
また、創業支援計画書につきましては、日本政策金融公庫のホームページも参照してください。
どうぞよろしくお付き合いください。
ある税理士の一日【令和3(2021)年4月15日(木)】
本日は一本の電話で目が覚めました。それは、知り合いの若い弁護士からの電話でした。何とか今日、所得税の確定申告書を提出することができるということと令和3年分はもうたくさんなので、お願いしたいとのことでした。それから、本日の夜21時くらいに税務署の前のポストに投函予定だけれども、可能かどうかという質問もいただきました。税務署前の書類投函専用ポストは、24時間オープンしているので、OK!だと答えました。
つぎは、朝イチで来客の対応です。当事務所は、生命保険の代理店をしているので、月に一度のコンプライアンス研修を受けました。その主な内容は、自らの手数料が高いといった理由で、自分が得をするために、ご都合主義で保険を売りつけたりすることのないよう、顧客ニーズをその都度記録に残しておくといったものでした。
続いて、二番目の来客の対応をいたしました。こちらも金融機関関係の方で、新任のご挨拶にお越しいただきました。お二人とも、この春からお世話になることになります。お一人は、前任地が和歌山だそうで、以前ライセンスをもってみえたとのことで、鈴鹿サーキットにたいへんな思い入れがあるとのことでした。
つぎは、昨年末に設置した看板やホームページをご覧いただいて顧問税理士をお探しの50代の男性との初面談です。14時から3時間話し込みました。内容は多岐にわたりました。相手のお話もたくさんうかがうことができました。当事務所のこともたくさんお話しすることができました。これまでの申告書類を拝見し、多くの指摘をさせていただきました。
夕方には、融資をご希望の顧問先様にお越しいただきました。まだ、1期目を終えていない法人様ので、金融機関からの融資を受けるには「創業計画書」の提出を求められます。信用保証協会に提出する書類です。正確な名称は、「創業・再挑戦計画書」となっています。ポイントは、融資を受ける論拠となる「開業動機・目的」で経営者の熱意をしっかり読み手に伝え、「開業に必要な知識、技術、ノウハウの習得」と「必要な資金および調達の方法」「収支計画(今後1年間分)」「販売・仕入先」などでは実現可能性の高さを伝えるよう留意しました。とりわけ、「開業動機・目的」と「開業に必要な知識、技術、ノウハウの習得」は、用紙には書ききれないので別紙(A4)1ページにびっしり記載いたしました。ヒアリングやら雑談を含め、3時間半かかってしまいましたが、きっとよい結果が得られるものと思います。
このように、外出することなく、たいへん充実した一日を過ごさせていただきました。
創業計画書作成の留意点
商号や開業(予定)住所などは、特に注意することはないと考えられますので、ここでは特に留意する点のみを列挙してお伝えいたします。
創業計画書の作り方や創業時にご利用いただける融資制度など、創業時に役立つ情報をご紹介しています。
と、紹介されています。
「業種」
端的にわかりやすく、事実をありのまま記載します。後述する「収支計画(今後1年間分)」との整合性にも留意しなければなりません。
「開業動機・目的」
わずか2行しかない項目ですが、ここで経営者の事業に対する熱意や志、あるいは夢など、熱い思いを読み手に伝えなければなりません。この項目以外に、経営者の熱い想いを伝えるところはありません。ヒアリングをで、経営者からその想いを引き出すことも重要な仕事となります。
「開業動機・目的」の内容については、業態の簡単な説明から開業に至った経緯を詳しく記載します。そのあとに、具体的にどのように社会に貢献できるのかを伝えます。ここで言う「目的」はとても大切なことだと考えます。社会的な意義のないものには、融資はないものとお考えいただいたほうがよいかと存じます。そのためにも、自社は「何を売るのか?」と言ったところをハッキリ記載する必要があります。社業そのものが社会に貢献していることを堂々と語ればよいと思います。
「開業に必要な知識、技術、ノウハウの習得」
この項目も、わずか2行しかスペースがありません。私は、今回、別紙にて18行書きました。経営者やその右腕となるような方、従業員などのこれまでの経歴からどのようなノウハウを習得してみえるのかを伝えます。経験がノウハウを形作る多考えると、経歴の羅列から、どのようなノウハウを獲得してきたのかを読み手にアピールします。この項をしっかり書くにも、正確なヒアリングが不可欠となります。
「事業協力者の住所・氏名・勤務先」
事業協力者がいれば是非書いておいたほうがよいと思います。
むしろいないと信用を損ないかねませんので、何としても書くように努力なさってください。
事業をされる以上、いないはずがないのではないかと思います。
ただし、記載される方には、「創業計画書」に一言お名前を借りたことを伝えておくべきたと思われます。
数字の整合性
「必要な資金および調達の方法」「収支計画(今後1年間分)」「販売・仕入先」「借入金等状況」については、それぞれ整合性がとれていないと信憑性が疑われます。適当な数字を書いたりすることは許されません。記載した数字には、それぞれ根拠を説明できるようにしておかなければなりません。
また、実現可能性の高い、現実的で説得力のある数字でなければならなければならないことは言うまでもありません。嘘っぽい内容を提出するような事業者にお金を貸そうとは誰も思わないのではないでしょうか。
また、これらの書類を受け取って審査をする方は、数字に強い方です。よくよく確認を怠らないようになさってください。
「その他」
「計画に関する補足説明がありましたらご記入してください」と書いてあるように、補足説明があれば必ず書くようにしてください。
さらに、この「その他」の項を活用して、書類全体の信憑性や整合性を高めるよう活用してください。
この「その他」も、融資の成否を左右しかねない重要な項目だとお考えいただいて記載していください。
今回は、受け取った補助金について、いつ、いくら、受け取ったか?申請中の場合にはその旨記載しました。この記載によって、「事業協力者の住所・氏名・勤務先」と同様、申請者の信用を高め得る効果がある都考えています。
おわりに
このように、当事務所は、税理士や行政書士の資格を活かし、顧問先様の融資のお手伝いもさせていただいております。
顧問先様と関与先様限定のサービス(有償)ですが、金融機関や商工会議所が窓口になっていただけることもあるようです。
本日も最後までお読みいただきましてありがとうございました。