谷田義弘税理士事務所

三重県鈴鹿市 谷田義弘税理士事務所

「中小企業景況調査」を読み解いて経営計画をつくる

「中小企業景況調査」

  • 調査主体…中小企業庁および中小機構(独立行政法人 中小企業基盤整備機構)
  • 調査の目的…中小企業の景気動向を総合的に把握すること
  • 調査対象…中小企業(商工会議所、商工会、中小企業団体中央会により任意抽出した約19,000社/金融機関を除く全業種
  • 調査方法…経営者へのヒアリングをベースに業況判断・売上高・経常利益等のDI値を、四半期毎に産業別・地域別等に算出
  • 特徴…約80%を小規模企業が占める日本の中小企業構造の実態を踏まえた唯一の調査
  • 調査時期…令和2(2020)年6月1日
    ※「DI値」…前年同期比または前期比で、「好転」と回答した企業比率から「悪化」と回答した企業比率を引いた数値のこと

「中小企業景況調査」結果の概要

  1. 2020年4-6月期の「中小企業景況調査」(調査時点:6月1日)では、前期より39.7ポイント低下のマイナス64.1(中小企業の業況感は過去最低下げ幅も過去最大)
  2. 新型コロナウイルス感染症拡⼤の影響を受け、従業員数過不⾜DIは過去最⼤の上げ幅(⼈⼿不⾜感は急激に収束)
  3. 業種別で「マイナスの影響があった」と回答した企業は、サービス業が最多(1,438件)で、卸売業が最小(94件)
  4. フリーコメント(自由回答数5,038件=過去最多)より、新型コロナウイルス感染症によるマイナスの影響を比較すると、つぎのとおり過去最大となった
    ① リーマンショック(2008年) 2,796件
    ② 東日本大震災(2011年) 3,856件
    ③ 新型コロナウイルス感染症拡大(2020年) 4,073件
  5. 全国との比較における中部地域は、卸売業・小売業を除く製造業・建設業・サービス業とも景況感が低い
  6. 中部5県(富山・石川・岐阜・愛知・三重)の中では、三重県は全産業、製造業、非製造業とも最も景況感が高い

所感

  1. 身近では感じることのできない地域別・産業別の中小企業の経営者の景気に対する意識が読み取れます。
  2. 業種にもよるのでしょうが、人手不足感が弱まっているようなので、事業拡大を計画している企業にとって人材確保のチャンスかもしれません。
  3. サービス業には、宿泊・飲食サービス業、鉄道、観光、イベントなどなどが含まれ、大きな影響を受けている実感がありますが、卸売業との差の大きさに驚きました。
  4. 「コロナ」の中小企業に対する景況感の影響は、リーマンショック、東日本大震災を凌(しの)いでいます。身近な情報では推し量ることすらできませんでした。
  5. 中部地域は全国との比較で景況感の悪化が顕著に現れています。
  6. 中部地域の中では、三重県の景況感は他県と比べて悪くありません。

まとめ

  • 新型コロナウイルス感染症の拡大が与えた中小企業に対する景況感は身近に感じている以上に大きなものでした。(過去最大級の悪化)
  • 三重県への影響は、他県と比べると、わずかながら軽いことも確認できました。

「中小企業景況調査」を読み解いて経営計画をつくるなら

  • これらを踏まえて、自社の経営について、改めてその目的を明らかにして経営計画を立てる機会になさってみてはいかがでしょう?
  • 当事務所では、数字に頼りすぎない経営計画のお手伝いにも応じます。
  • 具体的な経営目的をはっきり立てて、それに沿った計画を立ててPDCAを繰り返していきます。
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