「コロナバブル」?
本日(令和2年(2020)年10月7日(水曜日))は、午前の快晴が昼頃には曇りだし、16時頃からは雨が降り出しました。このまま台風が通過するまでお天気には恵まれないのでしょうか?台風14号に備える時間はそれほどなさそうです。
先月のことでした。顧問先様と決算の打合せで懇談をしていたときに、「知り合いの社長が無利息で借りたお金で、何台もフェラーリを買って並べているンですよ!」「何でですかねぇ?」と、尋ねられましたが、私もわかりませんでした。このときは、「お金持ちの考えていることはわからないなぁ~」と思っただけですが…
その後、『週刊ダイヤモンド 9月26日号』「異論百出」というコーナーに「東短リサーチ 加藤 出 社長」が「コロナバブルの異様なジレンマ 売れるフェラーリ、減らぬ失業者」という記事に最近気が付きました。ここに、その疑問に対する答えと思われる内容が掲載されていました。今回はこれを取り上げて、このお話しから垣間見られた現象を通して、世界経済や「アフターコロナ」を考える機会にしたいと思います。どうぞよろしくお付き合いください。
(httpsja.wikipedia.orgwindex.phptitle=%E3%83%95%E3%82%A7%E3%83%A9%E3%83%BC%E3%83%AA%E3%83%BB488GTB&action=edit§ion=4#media%E3%83%95%E3%82%A1%E3%82%A4%E3%83%ABFrankfurt_Motor_Show_2015_(10 より引用)
フェラーリの相場が…
同誌によりますと、この「コロナ禍」の中、中古のフェラーリやランボルギーニといった1台何千万円もする車が売れているそうです。
中古フェラーリ専門店取材をしたところ、「488GTB」と「488スパイダー」は下げているものの、これ以外のフェラーリーの相場はじわじわ上がってきているとのことです。
(httpsja.wikipedia.orgwiki%E3%83%95%E3%82%A1%E3%82%A4%E3%83%AB2015-03-3_Geneva_Motor_Show より引用)
「コロナ禍」にもかかわらず、どうしてこんな事態になっているのでしょう?
カラクリはつぎのとおりです。
- 無利息で融資が受けられる
- 優良企業ほど金融機関が貸したがる
- 借りる必要がないけれど、とりあえず借りてみる
- 余剰資金ができて…
このように、無利息で借りた借入金でフェラーリを購入しているようです。ひょっとして、これを売却すると、買ったときの値段よりも高く売れるかもしれません。
この記事を書いた筆者は、「コロナバブル」と表現しています。
「ゆがんだ現象」の発生
ところが、この「コロナバブル」は社会全体のことではなく、ごく一部の人たちに限られたことです。
「本当に資金繰りに困っている中小企業が多数存在する一方で、当局からかつてない勢いで大量の資金が放出される」ことに原因があるようです。
これは日本だけのことではなく、アメリカの2月~5月の5か月間で、非農業雇用者数が8.5%減っているにもかかわらず、実質耐久消費支出は11.8%も「激増」しているそうです。
一部の富裕層が、余ったお金を遣(つか)いまくっている反面、1,300万人もの方が離職した(その大半は失業と考えられます)ということです。
この「コロナバブル」のもう一つの特徴は、「官製」であるということです。「コロナ対策」として、国が市場に大量のお金を流入していることに原因があるからです。このことから、筆者はこの経済現象を「官製コロナバブル」とも言っています。
ということで、「家計の経済格差」、すなわち貧富の差が拡大しているということになります。私は、この貧富の差を縮めることが国の行うべき重要政策であるべきと考えますが、コロナ対策が真逆の結果をもたらしているのは、何と皮肉なことなのでしょうか。しかし、コロナに喘(あえ)ぐ人々のために国が手を拱(こまね)くことも許されません。こういうときに、どのタイミング、どれだけの規模、どんなふうに政府が市場経済へ介入することが望ましいのか?をしっかり算段できないあたりは、経済学を含めた経済に携わる者の責任でもあると思料されます。
「官製コロナバブル」のゆくえ
(httpswww.ryugaku-voice.comivy-league.htmlより引用)
経済政策として大量の資金を市場に投入している効果について、コロンビア大学(アメリカ)のM・ウッドフォード教授は、「断絶」によって、従来のような効果は期待できないとされています。というのも、外食・旅行・エンターテイメントなどの分野にお金が流れないことを「断絶」と表現して、従来どおりの効果に疑問を呈しているのです。
アメリカ議会はコロナ対策を積極的に、つまりさらなる財政出動を主張する民主党と財政赤字の拡大を懸念する共和党の激しい対立を尻目(しりめ)にFRBがコロナ救済策を展開しようとしている構図を「ジレンマ」と言い表して「バブル」がはじける懸念を指摘していると解されます。
筆者の結論は、はっきり理解できませんでしたが、「どうも様子がおかしい…」という指摘でしょうか?
当時一世を風靡(ふうび)したと思われるピケティ(フランスの世界的にも著名な経済学者)を思い出すのは私だけでしょうか。このノーベル賞経済学者は、経済というものは国が放っておくとドンドン貧富の差が拡大してしまうことに警鐘を鳴らしました。私は、国の「コロナ」対策がフェラーリの購入になってしまうほど貧富の差が拡大することを初めて知りましたが、今後の「コロナ」に対する経済対策に採り入れた政策の立案が求められると思料されました。
対話を重んじる税理士をお探しなら…
中古フェラーリの購入が、ひょっとすると財テクになるかもしれないというお話しは、世界の国々の経済政策が「これでいいのか?」という疑問に結びつきました。換言すれば、コロナ対策としての経済政策が貧富の差を拡大してしまっている、必要としている人々にはお金が届いていないのに必要としていない人々にお金が届いてしまっている、という理不尽な実態も確認できました。
こういう学びができたのも、顧問先様とのたわいない会話がきっかけです。私はこういったやりとりも大切にしていきたいと考える税理士・行政書士です。「コロナ」でリモートやWebでの面談がもてはやされています。確かに便利で、家にいながらたくさんのセミナーを受講できて学習の機会が増えました。しかし、その利便性では得られない対面でのやりとりで感じるものも忘れることのないよう、留意したいと思っています。
経営のことでご相談したいとお考えでしたら、対話を重んじる税理士、鈴鹿市(三重県)の谷田義弘税理士事務所まで、つぎのフォームからご一報ください。お役に立てることがあるかもしれません。