「コロナ」が及ぼす税務への影響
「持続化給付金」「休業要請協力金」などの申請
- 事業者がこぞって関心を示されるのが、200万円・100万円・50万円(いずれも上限)いただけ、使途が自由な「給付金」「協力金」と言えます。しかし、帳簿がきちんと付けていない方や売上が前年同月比半減しているかどうかがわからない方は申請できるかどうかさえわかりません。そこで、売上が半減しているか否かの確認を求められることがあります。これをきっかけに、経営の基本と言える経理体制の確立を具現化される手助けができればと考えています。
- インターネット化の環境が整っていないために、手数料を払ってでも申請される方もみえました。高齢の方にとってはこれが難関となります。申請サポート会場ができましたが、当初はいつできるかわかりませんでした。つい先頃まで行われていた「キャッスレス消費者還元」(クレジットカードや電子マネーの普及を図(はか)ろうとした国の事業)にも見られるように、インターネットを活用できないと取り残されてしまいかねません。淘汰されることも考えられます。税務でも「e-Tax」はしっかり根付いていると思います。この流れはこれからも続くと考えられます。これを機会に、インターネット利用環境の導入を検討されるべきではないでしょうか?
融資の申込みによる影響
- 融資の店舗書類として申告書や決算書が金融機関に持ち込まれることが多くなりました。その結果、税務上余り着眼されない貸借対照表が見られるようになって、金融機関からの質問を多くいただくようになりました。会計ソフト上の表記の仕方、誤認や単なるミスなどもあります。確かに、融資をする側にとっては、貸借対照表も重要な資料になると考えられます。このあたりのチェックや会計ソフトの仕組みについても理解を深める必要を感じました。
- 融資の申込みにおいても、帳簿をしっかりつけていないと整合性のとれていないところを指摘されます。その対応がいい加減だったりすると、融資額が減額されたり、融資が受けられなくなったりします。やはり、帳簿がしっかりしていないところは、金融機関からも相手にされないと言えます。もっともなことだと思います。
「コロナ」が及ぼす経済への影響
これまでも私が見聞きした「コロナ」の事業への影響をお伝えしてきました。さほど影響がないという方のほうが多かったように思います。今週、記憶にあるもの、書くことができるものを列挙するとつぎのとおりです。
1).自動車整備・販売業…今のところ大きな影響はない(昨年起業されたので正確な比較不可)
2).コンビナート設備の維持補修工事請負業…予想以上に利益が出て節税を本格化させる予定(今年法人成りされたので正確な比較不可)
3).金融機関のご担当…信用保証協会に申し込んだ融資について、書類に関する質問や問合せが増えている。とても勉強になる。
4).保険関係のご担当…「コロナ」に感染したり、経済的な影響を心配されて、保証を充実させる動きが増えている。見えない先行きに対する不安は緩和される兆しさえない。
5).建築業…得意先が固定されているので大きな影響はないものの、大きな工事を受注する機会が失われていると思う。(工事の受注による大きな売上変動あり)
6).衣料販売…学生服などが中心なので、少子化の影響を受け続けてじり貧ではあるものの、「コロナ」の影響は受けていない。
7).漁業関連業…漁師さんがいなくなっている(50年くらい前の10分の1以下)ことに加えて、「コロナ」の影響を受けている。廃業を考えている。
⇒業種によっては、受けている影響が小さいところもあります。しかし、これから経済全体が冷え込んでしまうとたいへんなことになりかねないことはこれまでにもお伝えしたとおりです。異変に早く気づいて、素早い対応が明暗を分けかねないことになるかもしれません。大きな台風が近づいていて、今のうちにできることはやっておかなければならないといった状況に似ていると感じるのは私だけでしょうか。
経営助言や公的支援でお困りの方は…
「コロナ禍」で厳しい経営を強いられていませんか?経営助言や公的支援、あるいは融資でお困りの方は、谷田義弘税理士事務所にご相談ください。谷田義弘税理士事務所は行政書士事務所を併設しているので、給付金・補助金・公的支援などの直接申請を取り扱っています。また、経済産業省より経営革新等支援機関にも認証されているので、経営に関する助言も得意としています。
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