谷田義弘税理士事務所

三重県鈴鹿市 谷田義弘税理士事務所

「緊急事態宣言の影響緩和に係る一時支援金」(経済産業省)

こんばんは。税理士の谷田です。

いよいよゴールデンウィークが始まろうとしていますが、あいにくの雨です。まるで、外出をしないよう促しているかのようです。私はこの休日に出掛けるような予定は全くないので、仕事と家事にの時間を費やしたいと考えています。

さて、昨日、以前補助金申請のお手伝いをさせていただいた方から、「緊急事態宣言の影響緩和に係る一時支援金」(以下、単に「一時支援金」と呼ぶ)について、お尋ねがありました。そこで、本日は、この5月末申請期限の「一時支援金」について、経済産業省のホームページを参考に、ご案内申し上げます。三重県の場合、原則として、「緊急事態宣言の発令地域の飲食店と直接・間接の取引があること」といった要件を満たさない場合がほとんどかもしれませんが、どうぞよろしくお付き合いください。

また、昨日、別の顧問先様より、前回取り上げた「飲食店時短要請」協力金(三重県)について、鈴鹿市からも同様の補助金が出るようなので、「詳しいことがわかったら教えてください」とのご要望を承りましたので、わかり次第お知らせいたします。

 

ある税理士の一日【令和3(2021)年4月28日(水)】

さて、本日は税務署にて、私が作成した相続税の申告に対する意見聴取を受けてまいりました。「モレ」があったので修正申告となりそうですが、銀行等の金融機関が発行する「残高証明書」に関して学んだことはつぎのとおりです。

私は、相続税の申告にあたって、過去5年分の「取引履歴報告書」といった特定の口座の動きを示すものをもらってきていただくようにしています。これで、たとえば大きな金額が引き出されていた場合には、その使途を確認するようにしています。そうしないと、贈与の可能性があるからです。お亡くなりになった日から3年以内になされた贈与は、相続財産に加えて計算しなければならないためです。

ところが、この「取引履歴報告書」は、交付申請した日に存在する口座のみしか発行されないことがあるようです。すると、お亡くなりになってから、「取引履歴報告書」を交付申請した日までに解約された預貯金口座などについては、「取引履歴報告書」が交付されないこととなります。

相続財産の計算をするにあたっては、お亡くなりになった日の財産や負債を整理し、計算することになりますので、「モレ」が発生したということになります。

この「モレ」を防ぐには、お亡くなりになった日付けの「残高証明書」を金融機関に発行していただかなければなりません。私の知る限り、「取引履歴報告書」はほとんど無償(百五銀行を除く)で金融機関より発行していただけるようですが、「残高証明書」は有償による交付となります(証券会社を除く)。

お金がかかるので、できるだけクライアントに負担をさせないようにと考えてのことでしたが、プロとして、確認不足の誹(そし)りを免れることはできません。

また、お亡くなりになると預貯金口座は凍結されることとなるので、こういった「モレ」は生じないと思い込んでいたところに油断が生じたものと反省いたしております。

朝8時半、税務署の開庁と同時におじゃまさせていただき、たいへんよい勉強をさせていただきました。こういった経験を積み重ねて、さらなる成長を遂げたいものです。

 

お昼には、ある生命保険会社の「ランチ研修」をしていただきました。その名のとおり、事務職員とお昼をいただきながら、生命保険の商品内容や考え方などに関して研修を受けます。保険は、死亡や病気、あるいは入院や高度障害など、困ったときに助けてくれる存在であることをあらためて学ぶことができました。うなぎをごちそうさまでした。

 

午後には、電話で予約をいただいた方から、相続の相談を賜りました。相続税はかからないと思ってみえたようですが、概算では、特例の適用を受けないと、相続税がかかってしまうことが明らかとなりました。

このため、相続税をかからないようにすることはできるものの、相続税の申告はしなければならない旨説明しました。というのも。特例を受けるためには、誰がどの財産を相続して、どの特例を誰が受けるのかを税務署に告知する必要があります。その手段として、申告をしなければならないということになります。

また、誰がどの財産や負債を相続するのかを取り決める「遺産分割協議書」は、相続税の申告をしない場合でも必要となります。これは、税理士が有償で作成することができない書類であることなどを説明しました。依頼を受けるかどうかはわかりませんが、よく理解していただけたと思います。

 

「一時支援金」

三重県の場合、対象となる場合は、原則として、

緊急事態宣言の発令地域(以下「宣言地域」という。)の飲食店と直接・間接の取引があること、又は、宣言地域における不要不急の外出・移動の自粛による直接的な影響を受けていること

となりますので、この要件を満たす事業者はあまりいないと考えられます。

 

趣旨

経済産業省のホームページによれば、

2021年1月に発令された緊急事態宣言に伴う飲食店の時短営業や不要不急の外出・移動の自粛により、売上が50%以上減少した中小法人・個人事業者等の皆様に、「緊急事態宣言の影響緩和に係る一時支援金」 (一時支援金)を給付いたします。

要件

要件はつぎのとおりです。

 

緊急事態宣言に伴う飲食店時短営業又は外出自粛等の影響を受けていること

2019年比又は2020年比で、2021年の1月、2月又は3月の売上が50%以上減少していること

給付額

中小法人等 上限60万円

個人事業者等 上限30万円

申請受付期間

2021年 3月8日(月) ~ 5月31日(月)

 

「一時支援金」の登録確認機関

主に認定経営革新等支援機関が「一時支援金」の登録確認期間となります。

当事務所は、この認定機関に該当します。

不正受給対策として、この事前確認スキームが導入されたようです。

 

さまざまな特例

この「一時支援金」制度には、さまざまな特例が設けられています。

たとえば、

  • 2019年・2020年 新規開業特例
  • 法人成り特例

など、弱い立場にあたると考えられる中小零細企業に対しても支援が行き渡るよう配慮されているものと考えられます。

 

対象となる地域(緊急事態宣言の発令地域)

栃木県、埼玉県、東京都、千葉県、神奈川県、岐阜県、愛知県、京都府、大阪府、
兵庫県、福岡県
※緊急事態宣言が解除された地域も含む

このように、三重県は該当しませんが、たとえば、旅行関連事業(観光・旅行など)でその顧客の⑤割以上が緊急事態宣言発令地域から来訪している場合(指定統計データ)や緊急事態宣言発令地域の個人顧客との継続した取引のある事業者全般(顧客台帳・自ら実施した顧客調査の結果による)であれば、申請することができるものと考えられます。

 

まとめ

このように、三重県内でこの「一時支援金」の受給対象となる事業者は限定的と考えられます。

ご質問いただいた方にはこれらのことを説明したいと考えています。

もし周りに該当しそうな方がおみえでしたら、教えてあげてください。

本日も最後までお読みいただいてありがとうございました。