今回も相続税について考えたいと思います。今年のお盆は、例年よりも親族で集まる機会も少なくなりそうです。ご先祖様を偲(しの)びつつ、相続についてお考えになってみてはいかがかと存じます。今回は、相続税額の基本的な算出方法について(国税庁HP参照)の説明となります。
相続税額の計算方法
相続税額の算出方法は、各人が相続などで実際に取得した財産に直接税率を乗じるというものではありません。
正味の遺産額から基礎控除額を差し引いた残りの額を民法に定める相続分により按分(あんぶん)した額に税率を乗じます。この場合、民法に定める相続分は基礎控除額を計算するときに用いる法定相続人の数に応じた相続分(法定相続分)により計算します。
実際の計算に当たっては、法定相続分により按分(あんぶん)した法定相続分に応ずる取得金額を次の項に当てはめて計算し、算出された金額が相続税の総額の基となる税額となります。
相続税の税率
法定相続分に応ずる取得金額 税率 控除額
1,000万円以下 10% 0円
3,000万円以下 15% 50万円
5,000万円以下 20% 200万円
1億円以下 30% 700万円
2億円以下 40% 1,700万円
3億円以下 45% 2,700万円
6億円以下 50% 4,200万円
6億円超 55% 7,200万円
相続税のケーススタディー(松下幸之助)
松下幸之助の遺産総額=2,450億円(史上最高)(うち97.5%がグループ株式2,387億円)
相続税額=845億円(史上2番目)
妻(むめ)…1,224億円相続/相続税=0円
その他相続人6名(一人娘とその婿、非嫡出子4名)
私見
- 「経営の神様」松下幸之助翁の奥さんは、相続財産の半分、1,224億円も相続しておきながら、これに対する相続税は1円もかかっていません。これは、「配偶者の税額軽減の特例」の適用を受けたからです。
- これに対し、その他の相続人6名が、合わせて854億円を支払ったということです。わが国の相続税法上「三代で20分の1」になりかねない実例と言えます。
- 前回との重複を恐れず、繰り返しますが、相続税対策の効果を最大化するには、できるだけ早く始めなければなりません。
- まずは、相続税がかかるかどうか?かかるとすればいくらかかるのか?こういった試算から始めてみてはいかがでしょう?
- また、「一番大切なこと」は、前回お話ししたとおり、「モメないこと」に変わりはありません。このことを具現化するためにも、早めの対応が不可欠と考えます。
相続税に関するご相談は…
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