谷田義弘税理士事務所

三重県鈴鹿市 谷田義弘税理士事務所

配偶者居住権を考える

配偶者居住権を考える

本日(令和2年(2020)年10月1日)は、中秋の名月です。朝からの好天に恵まれ、思わず青空をバックになるような写真を撮りました。また今日も、窓を開放しての営業となりました。

暗くなってからしか出かけることもなく、じっくりと机に向かって仕事ができました。本日も、とりわけ電話でのやりとりで心の響くようなことがいくつ(三重県庁・厚生労働省)もあり、充実した一日を過ごさせていただきました。嬉しいサプライズ(見込客4件)も電話でした。夜は久しぶりの異業種交流会に出席させていただきました。

今回は、前回に引き続き本年(令和2(2020)年)4月1日より始まった「配偶者居住権」という新しい制度について、留意しなければならない点を解説します。つまり、今回は積極的に配偶者居住権を付与させる行為がなければならない点と登記の効力について述べます。前回の説明だけでは勘違いされる方もみえるかと存じますので、どうぞご参考になさってください。

配偶者居住権の落とし穴

前回説明した配偶者所有権ですが、これは誰にでも自動的に付与される(与えられる)権利ではありません。

この権利を、亡き後(あと)自分の妻に持たせてあげるには、つぎの二つの方法があります。

  1. 遺言
  2. 遺産分割協議

上記2は被相続人の意思は反映されませんので、夫が妻に持たせてあげるには上記1の遺言書しかないということになります。

この点は、必ずお忘れにならないようご留意なさってください。

配偶者居住権を登記する

前回も述べましたが、配偶者居住権を登記することによって第三者に対抗できるようになります。

つまり、夫が生前に妻のために自宅の登記簿に配偶者居住権を設定した場合、その建物が第三者に売却されても妻はその家に住み続けることができます。

なぜならば、登記簿に配偶者居住権が明記され、買い手にも妻が住み続けることがわかるようになっているからです。

このとき買い手は、妻が無償で住み続けることを承知でその居宅を購入することとなります。

また、この妻が死亡したり、施設に入って生活することとなった場合、この登記を抹消しなければなりません。

配偶者居住権の設定をしたり、抹消をしたりする際には、費用がかかります。

このように、登記をすることには意義があるわけです。

配偶者居住権の活用例

それでは、どんなときにこの配偶者居住権を活用できるのでしょうか?ここでは、具体的な例を挙げて考えてみます。

たとえば、先妻との間に子どもがいて、後妻を遺(のこ)して逝(い)かれる場合を考えてみます。この後妻には前夫との間の子どもがいたとします。

後妻には自分が亡き後もそのまま自宅に住み続けさせてあげたいけれども、いずれは先妻との間にもうけた子どもに引き継がせたいとします。

こういう場合には、配偶者居住権を有効に活用できるのではないでしょうか?

後妻が亡くなれば、その建物は先妻との間の子どもが引き継いでくれます。

後妻は、亡くなるか自身が必要なくなると思うまでその家に住み続けることができます。

 

配偶者居住権を活用した相続をお考えなら…

配偶者居住権を活用した相続をお考えなら、鈴鹿市(三重県)の谷田義弘税理士事務所なら、行政書士事務所を併設し、複数の生命保険代理店として各種生命保険も取扱っておりますので、多角的に相続のご相談に応じることができます。

馴染(なじ)みのない「配偶者居住権」ですが、専門家の力を借りながら、個別具体的なケースに応じた相続対策をいっしょに考えることができます。どうぞ、お元気なうちから遺(のこ)された親族が、自身の亡き後、どんなふうに暮らしていくのかを考えてあげてください。生活が成り立たなくなってしまうことも考えられることは、前回の配偶者居住権のお話しからもご理解いただけることと存じます。

昨今「終活」が叫ばれる中、このように遺(のこ)された親族のことを考えておくことはとても重要なことだと思います。自分が亡き後、どうすれば皆が幸せに暮らしていけるのか?これほど大切な「終活」はないと存じます。これを考えずに愛するご家族を遺(のこ)していくことは、無責任になるかもしれません。

遺影の準備やお葬式の段取り、あるいは遺品の整理もあろうかとは存じますが、いつもそばにいてくれる人を大切にしてあげることを忘れないでください。その人たちが幸せに暮らしていくことができるかどうかはご自身にかかっているとすれば、目を背(そむ)けずに、自分の死と向き合って、真剣に考えることもできるはずです。

一概に配偶者居住権を活用できる方ばかりとは限りません。むしろ、これを活かすことのできる方は少数かと存じます。

しかしながら、相続を考えるにあたってはお一人おひとりの事情をよく把握しなければなりません。そんな中で、配偶者居住権を設定したほうがよい場合もあるでしょうし、必要ない場合もあると考えられます。また、公正証書遺言を書かれたほうがよい方もおみえなら、自筆遺言証書でことは足りる方もお見えでしょう。あるいは、生命保険を活用したら節税になる方もみえれば、これが必要ない方もみえるでしょう。

このように、相続を考える際には、ヒアリングがとても大切となります。いろいろなお話しをうかがって、最適な相続を考え、これをしっかり説明してご納得いただくことが私の大切な仕事と考えております。

相続でお悩みなら、鈴鹿市(三重県)の谷田義弘税理士事務所にご相談なさってください。お役に立てることも多いかと存じます。まずは、つぎのフォームからご一報ください。