「争族」を避けるために
今朝は、寒さを感じて目が覚めました。ある顧問先様は、夏布団しかない息子さんのために、昨夜、急きょ、ご夫婦で兵庫県まで冬用の布団を持って行かれたそうです。確かに、布団を電車で持って行くのは難しいです。
本日(令和2年(2020)年9月28日)も、たいへん充実した一日を過ごさせていただくことができました。朝から、税務署、商工会議所へ出かけ、帰ってすぐに例月面談をさせていただき、その後補助金申請の郵送準備や別件補助金申請書類の作成、電話による相続税のご相談、顧問先様の決算・申告のご説明とご署名・ご捺印、顧問先様の応接に「申立書」のヒアリングなどなど、息つく暇もなく20時になっていました。また、実質的に補助金申請を2件片付けることができ、「申立書」の資料収集を事実上終えることができたといった成果を得ることができた一日でもありました。さらに、顧問先様と約4時間弱を費やした(懇談過去最高記録)は、これまで以上に理解を深めることができた貴重な時間となりました。
今回も、「争族」を避けるために、前回ご紹介した自筆証書遺言の保管制度の活用がいかに大切かを強調するようなケーススタディーを取り上げたいと思います。これは私がうかがった実話に基づいたものです。
誰しも自分の死と向き合ってその後のことをじっくり考えたりすることは避けたいと思います。しかし、「争族」にならないように、残された者が仲良く過ごしていくためには、どうしても避けることができない大切なことになると考えられます。今回は、ケーススタディーを通じて「モメない」相続を考えます。ご参考になさっていただければ幸甚に存じます。
また、バックナンバーにつきましては当事務所のホームページ(令和2(2020)年6月30日以降分)やフェイスブック(令和2(2020)年3月30日以降分)をご覧ください。
「争族」に陥(おちい)ったケーススタディー
以下は大先輩税理士からうかがったお話しです。
- モメそうに感じていた相続人の一人が自分の親を説得して、自筆証書遺言(自分で書いた遺言書)を作成することとなりました。
- 要件を満たさないと無効になるので、弁護士に依頼し、自筆証証書遺言を見ていただいて、法的形式を備えていることを確認し、さらにその弁護士に預かっていただくことにしました。
- 「これで安心!」誰もがそう思います。
- 法律のスペシャリストが太鼓判を押してくだすって、さらに保管までしていただいくことになったわけですから。
- ところが、実際には自筆証書遺言の作成者がお亡くなりになったとき、その弁護士は認知症にかかっていました。
- その弁護士は、個人で法律事務所を営んでみえたので、廃業することになってしまったそうです。
- 預けておいた自筆証書遺言は、どこを探しても見つからなかったそうです。
- このように、せっかく作った自筆証書遺言は見つからないまま相続を迎えてしまうことになりました。
- 遺言書が見つからなければないのと同じです。
- 遺言書がなければ、遺産分割協議書をつくらなければなりません。
- 心配していたとおり、遺産分割を円満に話し合いで決めることはできなかったそうです。
- 最悪の事態、「争族」を迎えてしまいました。
- では、こういう事態を避けるためには、どうすればよかったのでしょう?
- 公正証書遺言を作成しておけばよかったと思います。
- 弁護士の先生にお願いすれば、誰しも安心に思うのも無理はありませんが、公正証書遺言であれば、こんな事態は避けられたと思います。
- 残念なことに、前回ご紹介した法務局における自筆証書遺言の保管制度は、この当時はありませんでした。
- 法務局で自筆証書遺言の保管制度が取り扱われるようになったのは、今年の7月10日(金)以降です。
- 発足したばかりでまだ3か月もたっていない新しい制度です。
- 前回ご案内申し上げたとおり、費用は1申請あたり3,900円と、高くはないと思います。
- 何よりも、今回取り上げたような「争族」を避けることもできたと思います。
「争族」の回避を考える
- 以前からの繰り返しにはなりますが、相続を考える上で最も大切なことは、「モメない」ことです。
- 私が小中学生の頃、同級生の兄弟の数は2人が多かったように思いますが、本日顧問先様(私よりも一回り年長)との懇談の中では、ご兄弟の数はほとんどが3人だったとうかがいました。
- 年々兄弟の数が減ってきて1.5人を割り込んで、不妊治療を健康保険適用するか否かが議論されています。
- ということは、肉親の数も減少して、この数少ない肉親同士がもめてしまうとどうなるでしょう?
- 「争族」は何としても避けなければなりません。
- 自分の死と向き合って、これを考えることは決して楽しいものではありません。
- 目を背(そむ)けて、できれば考えたくないと思います。
- 一方で、死は必ず誰にもおとずれます。
- いつかが特定できないだけです。
- 避けることはできないと、誰しもわかっているはずです。
- だからこそ、残された者のことを考えてあげなければならないと思います。
- 数少ない肉親が仲良く助け合って生きていけるようにしてあげなければならないと思いませんか?
「争族」を避ける遺言書をいっしょに考えます
鈴鹿(三重県)の谷田義弘税理士事務所は、行政書士事務所を併設しています。しっかりヒアリングをしてそのご意思を遺言書に反映させ、「モメない」相続をいっしょに考えます。そして、積極的に法務局の自筆証書遺言の保管制度を活用して、後顧(こうこ)の憂(うれ)いをなくすお手伝いをします。是非つぎのフォームよりご相談なさってみてください。